

今年ノルウェーは独立 100 周年、そして日本との国交樹立 100 周年という、二重の記念する年として、各地でさまざまな催事が行われているようです。
ところで、ヨツール社は 2003 年に 150 周年を迎えた創業 1853 年という歴史ある企業。今回は、以前にこのトコナメエプコスのホームページで掲載して好評をいただき、再アップのリクエストが多かったノルウェーのヨツール本社 副社長
Joachim Heidenstron 氏が来日した際のインタビューをお届けいたします。
そこには、あらためて、現在世界 25 カ国以上に輸出している、トップメーカーとなったヨツールの姿勢がうかがえます。
■ 前編
ヨツール製品のデザイン力、またその背景にある事柄について分かりやすく解説されています。
Q:ヨツールのデザインは、どのように変わりつつあるのでしょうか。
ヨツールのデザインは、大きく3つに分かれます。最近、若い方を中心に人気を得ている Jøtul F 250 や Jøtul
F 350 などの縦型の薪ストーブなど、これはモダンラインと読んでいます。クラシックラインと呼んでいるのは、おなじみの Jøtul
F 3 や Jøtul F 400、Jøtul F 500 などですね。このラインは、モダンラインを好む若者たちの親世代に愛好されているようです。日本ではどうですか?そして、クラシックの中でも
Jøtul F 602 や Jøtul F 118 ですが、これはヘリティジラインと呼んでいますが、昔ながらのデザインを踏襲したロングセラーのラインといったところでしょうか。それに、埋め込み型の暖炉が加わって4つのラインで構成されているわけです。クラシックの中でもヘリティジラインなどは、デザインは不変性、普遍性ともいえるかもしれませんが、もうデザイン的には過去の評価が定まっているので変えようがありません。これに対してモダンラインは、今日は新しくても、明日はそうではなくなるかもしれないという動きのあるラインです。
Q:そういう意味でも、新しいデザインの動きに注目が集まりますね。
そうですね。今、モダンラインはノルウェー本国で活躍している工業デザイナーのタンバル氏にデザインを依頼しているのですが、近年は国内で工業デザイン賞を受賞するなど、お蔭様で人気を博しているようです。みなさんがご存知の
Jøtul F 220 も彼の作品なんですよ。車のボディーをイメージする?そうかもしれませんね。タンバル氏は、もともとは車や家具などの工業デザインを手がけているデザイナーの一人なのです。ノルウェーでは、こうした工業デザイナーたちが、こうした違うジャンルにもどんどん進出しており、デザインの新しい交流も出ています。今後の新しいデザインに、ぜひ期待してください。
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| タンバル氏 |
Q:ヨツールというとクリーンバーンというくらい、その優れた機能性に特長があると思いますが・・・。
クリーンバーンは長年にわたりヨツールが開発したシステムです。1981年に世界初のクリーンバーン機種「201」が発売されました。しかし1980年代は市場で需要があまりなく、従来の一次燃焼タイプが主流でした。しかし、1990
年に入ると環境基準が厳しくなり、再びクリーンバーンに注目が集まったというわけです。クリーンバーンなど、その清潔な燃焼システムはこれからも進化し続けますよ。新しい機能性の技術?それは企業秘密ですが(笑)、良い機能もデザインのひとつとして捉えています。例えば、最近、F400
の扉が観音扉から片開きのハンドルつきになりましたが、これは消費者の使いやすさをという意見を取り入れた、いわばユニバーサルデザインのひとつともいえるでしょう。
Q:消費者の方の意見は、どのように取り入れるのですか?
ひとつの製品をつくるのに、プロジェクトを立ち上げて7つくらいの工程を経て完成していくのです。もちろん、デザイナーのタンバル氏も積極的にこのプロジェクトに参加して、数々の展示会などでの様子を見たり、時には消費者を招いての意見を聞くマーケティングリサーチの会なども開きます。こうして、ハンドルひとつの改良にしても、そのバックグラウンドが十分に生かされているということです。
2へ続く